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ブラジル陸軍北東軍第7軍管区第72機械化歩兵大隊(72° Batalhão de Infantaria Motorizado・72 BIMtz)の兵隊さん。まるで農夫のような格好ですが、これでも歴としたブラジル陸軍の精鋭部隊なのです。

ペルナンブコ州のペトロリナを本拠とする同大隊は、ブラジル北東部地方に特有なカアチンガ(Caatinga)と呼ばれる苛酷な自然環境での活動を想定している為、図のような独特な軍装を着用しているのです。

カアチンガというのは有刺潅木の繁茂する半乾燥地帯の事で、北東部地方の内セルタン(Certão)と呼ばれている内陸地域に位置します。その面積は70万平方キロメートルから100万平方キロメートルにも及び、ブラジルの国土の実に1割を占めています。

カアチンガはボルボレマ高原(Planalto da Borborema)によって大西洋の湿潤な大気から隔てられており、非常に乾燥した土地です。年間降水量は300mmから800mmしかなく、最も暑い時には地表の温度が60度にも達します。苛酷な環境である為、農業には適していません。カアチンガが大部分を占めているセルタンは、ブラジルでも最も貧しい地域の1つとなっています。

全身は繁茂するサボテンや鋭い棘のある潅木から皮膚を守る為に硬い革製の野戦服で覆われており、強い日差しには大きな鍔付き帽子で対応しています。ところで第72機械化歩兵大隊実戦として、アンゴラに於ける国際連合の平和維持活動に参加しています。

余談ですが、カアチンガはその苛酷な環境にも拘らず、非常に豊かで特殊な生態系によって知られています。しかし近年のセルタンの開発の進展と共に、カアチンガの稀有な生態系の消滅、更にはカアチンガの砂漠化を危惧する研究者も少なくありません。